舌下免疫療法 当院ではこんな風にしています!
桜が岡耳鼻咽喉科の吉川です。
10月の休診では皆様にご不便とご迷惑をおかけいたしました。ようやくすっかり通常運転に戻りまして、患者さんも多く来てくださっています。
最近よくご相談いただくのが、舌下免疫療法について。この治療はスギ花粉症とダニアレルギー性鼻炎に適応がありますが、スギ花粉症については導入時期に制限がありますので、この情報をご存知の方が今年中に始めたいということで最近相談が増えているのかな?と感じています。ちなみに、スギ花粉症の方は6月〜12月頃に治療を開始します(スギ花粉の飛散時期を避けるという理由です)。
舌下免疫療法は皮下免疫療法(注射)とならぶアレルゲン免疫療法の一つです。アレルゲン免疫療法自体は100年以上も前から行われている治療法ですが、近年、治療薬を舌の下に投与する舌下免疫療法が登場し、自宅で服用できるようになりました。
重症者のための治療ではなく、軽症の方から最重症の方まで適応があります。3年以上かけて治療を行います。薬剤のように即効性があるものではありません。
しかし、アレルゲン免疫療法は、アレルギー疾患の自然経過を修飾しようとする治療法で、通常の薬物療法とは異なった意義を期待することができます。
具体的には、
・治療を中止しても数年にわたる効果の持続作用
・新規のアレルゲン感作の抑制作用
・合併する鼻結膜炎症状に対する改善作用(減薬なども期待できる)
・小児喘息の寛解比率を高める作用
・花粉症に対して行っているうちに、喘息の発症を抑制する作用
などです。
さらに、鼻炎に合併する喘息に使用すると、喘息に対する効果も期待でき、非常に重要な治療戦略であります。
最近、11月中配信されている日本アレルギー学会学術総会のweb講演を聴講して勉強していたのですが、埼玉医科大学病院在籍時代にアレルギーについて様々なご指導をしてくださった私のお師匠である呼吸器内科の教授の講演をじっくり聞くと、アレルゲン免疫療法はやはりとてもいい治療で、唯一の根治療法であると改めて感じている次第です。
治療法は、薬を舌の下に置き1分間保持したあと飲み込みます。その後5分間はうがい・飲食を控えます。以上です。
注意点は、体調の悪い日(疲れている日、風邪気味等の体調不良の日、口腔内にキズがある時や抜歯後など)の服用は避け、服用前後2時間の激しい運動、入浴、アルコール摂取を控え、量を間違えずにスケジュール通り(1日1回)にきちんと行うことです。
まずはじめの1週間は慣らしの量を服用します。2週目から維持量に増量し、数年間にわたり継続して服用します。
初回服用と1週間後の増量時初回服用のみ、院内で一緒に行い副作用などが起こらないか確認をします。それ以外は自宅で服用します。スギ花粉症の場合、スギ花粉症の時期でなくとも通年で毎日服用します。
主な副作用は、
・口の中の浮腫、腫れ、かゆみ、不快感、異常感
・唇の腫れ
・のどの刺激感、かゆみ、不快感
・耳のかゆみ
・ショック、アナフィラキシー(重大な副作用)
です。
当院では、適応を小学生以上とさせていただいております。
重症の気管支喘息、妊娠中・授乳中、悪性腫瘍治療中、自己免疫疾患など長期のステロイド加療中、降圧薬としてβ阻害薬を内服中 の方は治療適応外となります。
治療導入は、副作用が起きた場合各医療機関が対応しやすい時間帯が望ましいので、午前中に行います。
初回導入の受診+1週間後の増量の受診が必要ですので、必ず1週間後同じ曜日に来られるようスケジュールを立てていただくことが重要です。
最後に手順をご説明します、
1)舌下免疫療法の希望がある方は、持参していただいた検査結果を確認するか、もしくは当院にてアレルギー検査を行います。症状と検査結果を加味してスギ花粉症もしくはダニアレルギー性鼻炎の診断がつけば治療適応となります。
2)治療や副作用について医師から説明をします。その後ゆっくり説明書を読んでいただきながら同意書にサインをいただきます。質問はいつでもお受けします。
3)診察を終え必要な処方を行って会計を済ませます。薬局で処方を受けたのち当院にお戻りください。
4)その日から開始しますので、診察室で指導を受けながら服用します。
5)30分院内待機をしていただき、最後に副作用や体調の確認をし、終了です。1週間後の増量時も同じ手順で行います(同意書は初回だけですが)。
6)増量後は1ヶ月に1度の通院となります。
ご興味ある方はご相談お待ちしております!
藤沢市鵠沼桜が岡1−8−5−1 0466−28−8711
桜が岡耳鼻咽喉科 院長 吉川沙耶花
「鵠沼、片瀬、鎌倉などにお住まいの方、江ノ電石上・柳小路から徒歩5分の耳鼻咽喉科・アレルギー科クリニックです。ぜひご活用ください🌸」
(当院にも3台分駐車場はございますが、地図上のP印は近隣コインパークのご案内になります)