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滲出性中耳炎について オトヴェントのご紹介|桜が岡耳鼻咽喉科|神奈川県藤沢市鵠沼の耳鼻咽喉科・アレルギー科

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院長コラム

滲出性中耳炎について オトヴェントのご紹介|桜が岡耳鼻咽喉科|神奈川県藤沢市鵠沼の耳鼻咽喉科・アレルギー科

滲出性中耳炎について オトヴェントのご紹介

桜が岡耳鼻咽喉科の吉川です。

皆様暑い夏どうお過ごしでしょうか。

私は昨年8月に開院したため、当然ですが昨年は夏休みがありませんでした。子供たちにも我慢させていたので今年こそはと、家族で出かけることができました。富士山を近くで見たり温泉に浸かったりしました。旅路の標高が高かったためか、終始耳が詰まり、時に痛く、耳鼻科医としては無視できない症状の連続でした。

そこで今回は滲出性中耳炎のお話です。

耳は外耳、中耳、内耳の3つの部分に分かれています。中耳腔(中耳の部屋)は一定の空気で満たされています。中耳腔の換気は、そこから鼻の奥に繋がっている耳管によって行われています。
風邪などによりのどや鼻の炎症が耳管に及ぶと粘膜が腫れて中耳の換気が十分に行われなくなり、中耳腔が陰圧となり鼓膜が奥に引っ張られ、耳の詰まり感や難聴、耳鳴などの症状が起こります。炎症がさらに中耳腔まで及ぶと急性中耳炎や中耳腔に分泌液が貯留する滲出性中耳炎となります。
滲出性中耳炎の主な原因は、

・急性中耳炎の治療が中途半端に終了してしまうこと

・アデノイドなどが大きく耳管を圧迫すること

・扁桃組織の慢性炎症が中耳の炎症を反復させてしまうこと

・元来耳管が狭かったり、耳管の機能が低下していること

・急激な気圧の変化

などです。

治療は、まず保存的治療を行います。
・カルボシステインなどの去痰剤(中耳粘膜と耳管粘膜の線毛運動を促進させ、中耳の貯留液を耳管から鼻側に排泄しやすくする)

・鼻炎や副鼻腔炎や咽頭炎があれば、その治療

・抗アレルギー薬などによる鼻づまりの治療

・ネブライザー治療

・鼻すすりをしないように指導する

3ヶ月を超えてもなかなか治癒せず、40dBを超える難聴があるときは、鼓膜チューブ留置術などを考慮します。
鼓膜チューブ留置術と同時にアデノイド切除術を考慮する場合もあります。

最後に、耳管通気という治療があるのをご存知でしょうか。空気と中耳腔の貯留液を置換する治療です。大人であれば、鼻の奥に細い金属の管を通して耳管咽頭口経由で耳管に空気を送りこむという治療ができますが、小児はこの耳管通気ができませんので、耳管から空気を入れる方法がありません。
そこでオトヴェントという方法が開発されました。いわゆる鼻風船です。鼻で風船を膨らませることによって自己耳管通気を行う方法です。オトヴェントは日本耳科学会の小児滲出性中耳炎診療ガイドライン2015年版でも使用が推奨されています。

オトヴェントの使用法を含め、病状を把握するのにとてもわかりやすい動画がありましたので、作成元に許可をいただいてここに載せておきます。

https://www.youtube.com/watch?v=FVmBR3yz-lU

カタログも載せておきます。

https://meilleur.co.jp/wp-content/themes/meilleur202305/pdf/mode_inline14.pdf

当院であれば、お隣の薬局にオトヴェントの販売があります。私がオトヴェントをお勧めした際には薬局でご購入いただくか、ネットでも購入できますのでご検討ください(低年齢だと難しいこともあります)。

ちなみに鼻風邪などを引いている際の使用はお勧めできませんので、都度相談しながらやってまいりましょう。

子供たちは夏休みも後半、そろそろ学校に行きたくなっている頃かもしれません。

大人は相変わらず、頑張りましょう。

藤沢市鵠沼桜が岡1−8−5−1 0466−28−8711

桜が岡耳鼻咽喉科 院長 吉川沙耶花

「鵠沼、片瀬、鎌倉などにお住まいの方、江ノ電石上・柳小路から徒歩5分の耳鼻咽喉科・アレルギー科クリニックです。ぜひご活用ください🌸」

(当院にも3台分駐車場はございますが、地図上のP印は近隣コインパークのご案内になります)

 

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