嗅覚障害について(コロナ後遺症含む)
- 2022年8月23日
- 嗅覚味覚障害
桜が岡耳鼻咽喉科の吉川です。
今回は、嗅覚障害についてご説明します。最近のトピックはやはりコロナ後遺症ということになりますが、耳鼻咽喉科では常々嗅覚障害の診療は行っています。コロナが流行する前から、インフルエンザに罹患した後の嗅覚障害はなかなか治癒しないなぁなどと、昔から苦戦してきたものです。
原因としては副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎が最も多く、感冒後、外傷性、薬剤性、先天性、加齢性、中枢性、心因性などの原因もあります。
診察は、まず鼻やのどの状態を内視鏡を使って確認します。鼻腔ポリープなどがあればこの時点でわかります。他にも、当院ではCT検査が可能ですから、副鼻腔の細部にわたり炎症の状態を確認することができます。嗅覚障害を発端として難治性の副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎)が見つかる場合もあります。
嗅覚障害をもたらす原因が何かある場合にはまずその治療にあたります。
他にも、治療法として、ステロイド点鼻薬、漢方、亜鉛製剤、ビタミンB12、嗅覚トレーニング(嗅ぎ分ける訓練)などがあります。鼻腔ポリープなどが原因となっている場合は手術をお勧めする場合もあります。感冒後嗅覚障害には「当帰芍薬散」という漢方を使うこともあります。
いずれにせよ症状を感じる場合は早めの受診をお勧めします。「う〜ん、病院に行くまではないか、様子をみよう」と数年経過してしまった方もおられますが、あまりに経過が長いと、ようやく治療を開始しても回復が望めなくなることもあります。
コロナ感染後に副鼻腔炎にかかってしまい、嗅覚障害や鼻炎症状が遷延してしまう方もしばしばおられますので、症状が気になっておられる方はぜひ一度ご相談ください。
嗅覚低下が続くと風味(味覚)も落ちてきます。そろそろ食欲の秋を迎えますので、嗅覚・味覚、整えて参りたいものです。
藤沢市鵠沼桜が岡1−8−5−1 0466−28−8711
桜が岡耳鼻咽喉科 院長 吉川沙耶花
「鵠沼、片瀬、鎌倉などにお住まいの方、江ノ電石上・柳小路から徒歩5分の耳鼻咽喉科・アレルギー科クリニックです。ぜひご活用ください🌸」
(当院にも3台分駐車場はございますが、地図上のP印は近隣コインパークのご案内になります)