急性低音障害型感音難聴について
- 2022年9月19日
- 難聴
桜が岡耳鼻咽喉科の吉川です。
とても強い台風が来ていますね。火曜日の朝は無事に開院できるだろうか、スタッフは無事に病院に到着できるだろうか。心配です。皆様もくれぐれもお気をつけください。
今回は難聴の話です。難聴にも色々な種類がありますが今回は急性低音障害型感音難聴について説明します。
文字通り、急に発症し低い音が聞こえにくくなる病気です。発症した患者さんは、はっきり「聞こえない」とは感じず、「耳に水でも入ったのか?」「低い音の耳鳴り(ゴー)がする」「自分の声や周りの声が響いて聞こえる」と感じることが多いです。軽いふらつき(めまい)を伴う場合もあります。いわゆる狭義の突発性難聴と比較すると急性低音障害型感音難聴は治癒しやすい病気ですが、繰り返す場合もあります。
睡眠不足、ストレス、疲労、風邪などが発症の引き金になります。比較的若い人に多いと言われていますが、年齢問わず発症します。
音は空気が振動することによって伝わりますが、内耳(蝸牛)に到達すると、この振動を神経の興奮という電気エネルギーに変換します。 内耳は外側と内側の二重構造になっています。それぞれに外リンパ液と内リンパ液が入っていて混ざらない様になっています。 急性低音障害型感音難聴は内耳のリンパ液(特に内リンパ液)が増えてむくんだり、内耳の血液の流れが悪くなることによって起こると言われています。疲労などで内耳にリンパ液をためるホルモンが過剰分泌されると内耳がリンパ液でむくんだ状態になります。低い音の聞こえが悪くなるのは、特に低音を感じる部位がむくみの影響を受けやすいからです。また、内耳の血流が悪くなる場合も、音を聞くための細胞の働きが低下し、難聴が起こると考えられます。
治療は、浸透圧利尿剤(イソバイド・メニレットゼリー)、ビタミンB12製剤(メチコバール)、ATP製剤(アデホス)、 ステロイドなどの薬剤を使います。漢方がとても頼りになる場合もあります。むくみを取ってくれるからです。そして、カフェインを避け水分をしっかりとることが重要だと言われています。最後に、何より、ストレスや疲労の回避、運動、睡眠が大切です。
予後は良いことが多く、2週間〜1ヶ月で改善していく方が多いです。ただ、繰り返すうちにメニエール病へ移行する場合もありますので、症状が気になる場合には早い段階で耳鼻咽喉科を受診し、検査を行い、適切な治療を受けることが大切です。
桜が岡耳鼻咽喉科 院長 吉川沙耶花
「鵠沼、片瀬、鎌倉などにお住まいの方、江ノ電石上・柳小路から徒歩5分の耳鼻咽喉科・アレルギー科クリニックです。ぜひご活用ください🌸」
(当院にも3台分駐車場はございますが、地図上のP印は近隣コインパークのご案内になります)