桜が岡耳鼻咽喉科の吉川です。

花粉症の時期、よく質問を受けます。

「この鼻水は風邪症状でしょうか？もしかして花粉症（アレルギー性鼻炎）なのでしょうか？」

私たち耳鼻咽喉科医は、病歴、所見、検査、薬の効き具合などで鼻炎を診断しています。

簡単ですが、例を示します。

＜病歴＞

例１）花粉飛散に合わせて水のような鼻水、目のかゆみが出てきた→花粉症？

例２）少し寒い日にのどが痛くて、鼻水も出てきた→風邪？

＜所見＞

例１）鼻の粘膜が薄赤く浮腫状に腫れている→花粉症？

例２）色のついたどろっとした鼻水が詰まっている→風邪？

＜検査＞

例１）アレルギー検査でスギに陽性→花粉症？

例２）アレルギー検査では特に問題がない　もしくはスギ以外→風邪？

＜薬の効き具合＞

例１）抗ヒスタミン剤などの効果を感じる→花粉症？

例２）カルボシステインなどの去痰剤で症状が落ち着く、もしくは自然経過で改善する→風邪？

ちなみに、目のかゆみは花粉症に特徴的な症状です。

しかし、風邪だと思って治療をしてもなかなか改善しない鼻汁、特にお子さんでは多いです。アレルギー疾患が低年齢化しているとはいえ、こんなに小さい子でも花粉症になるの？・・・疑問を抱えるシーンは多々あります。

そこで、特に長引く鼻炎で通院しておられるお子さん（大人も可）には、積極的に「鼻汁好酸球検査」をしていこうと思っています。

好酸球とは、白血球の種類のひとつで、本来アレルギー疾患で血中に増加することが知られています。しかしアレルギー性鼻炎では、血中よりむしろ鼻粘膜での増多が著明です。鼻汁好酸球検査では、顕微鏡で鼻汁中の好酸球の有無や出現程度をみます。1個でもあれば陽性、出現程度によって1〜3段階あります。アレルギーの約90%は陽性となります。逆に、非アレルギーでの陽性は1～2%と少ないことから、アレルギー性鼻炎か否かの良い指標として検査します。鼻汁中の好酸球数がピークに達する昼頃に鼻汁を採取するとより正確な結果を得ることができます。

検査は簡単で、滅菌した綿棒で少し鼻汁を取り、スライドグラスに擦り付けます。インフルエンザ検査のように鼻の奥までグリグリやるものではありません。

お役に立てると幸いです。

藤沢市鵠沼桜が岡1−8−5−1　0466−28−8711

桜が岡耳鼻咽喉科　院長　吉川沙耶花

「鵠沼、片瀬、鎌倉などにお住まいの方、江ノ電石上・柳小路から徒歩５分の耳鼻咽喉科・アレルギー科クリニックです。ぜひご活用ください🌸」

（当院にも3台分駐車場はございますが、地図上のP印は近隣コインパークのご案内になります）