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鼻の病気

鼻の病気|桜が岡耳鼻咽喉科|神奈川県藤沢市鵠沼の耳鼻咽喉科・アレルギー科

鼻水、鼻づまり、くしゃみ

鼻

アレルギー性鼻炎

鼻はウイルスや細菌や塵や花粉といったさまざまな物質が簡単に体の中に入って来ないように防御しています。アレルギー性鼻炎は、アレルギー物質が鼻の粘膜に侵入しようとした時に、鼻水やくしゃみや鼻づまりなどで侵入を防御することで起こります。特に花粉が原因で起こるものを花粉症と呼んでいます。
まずは原因(抗原)を見つけることが治療を始めるにあたりとても重要なことです。スギのみならず、他にもヒノキ・カモガヤ・ブタクサ・ダニ・カビ・ペット・雑草など様々な抗原が存在します。
検査は主に採血で行われることが一般的ですが、当院では指先から1滴分の血液を採取するだけで(最低限の採血量のため、機器にエラーが出た場合などには再検査が必要になることもあります)、41項目のアレルギー検査が可能となる最新の機器(ドロップスクリーン:2歳以上が対象)を導入しています。アレルギー検査が初めてという方、採血が苦手な方、就学時健診でアレルギー検査が必要とされているお子さんなどに最適な検査法です。もちろん従来通り採血を行い、疑わしい項目を選択し検査する方法もあります。
また、アレルギー検査だけでなく、鼻の中の所見をしっかりと診ること、症状の出かたの確認をすること、場合によっては鼻水を採取して細胞をみる検査を行うこと、などを通してアレルギー性鼻炎の診断を行っていきます。
その一方で、鼻炎の原因の全てがアレルギーというわけではありません。
風邪の場合もありますし、慢性鼻炎や肥厚性鼻炎といわれるような病気もあります。原因がはっきりしない(いわゆる体質などによる)、血管運動性鼻炎と呼ばれるものもあります。さらに鼻腔内のできものなど、別の病気が潜んでいる場合もあるため、やはり病院でしっかり診断を受けることが大切です。当院にはレントゲン・CT一体型装置もありますので、副鼻腔炎や鼻中隔弯曲症やできものなど、鼻炎以外の別の病気が混在していないかもしっかり調べることが可能です。

アレルギー性鼻炎の治療には以下の①~④があります。

①抗原を回避すること

  • 花粉情報をチェックする
  • 花粉の飛散が多い時は窓を閉める、外出を控える
  • マスクやメガネで防御する
  • 掃除を徹底する
  • 花粉のつきやすい服(ウールなどのコート)を避ける
  • 帰宅時に服や髪をよく払い、洗顔とうがいをして鼻をかむ

②薬物療法

粘膜の過敏性を抑えたり、症状の原因となる化学物質の作用を抑える薬を用います。既に多くの方が行っている治療だと思いますが、実は様々な種類の薬があります。効き目、服用回数、服用するタイミング、副作用(眠気)の有無などを考慮して、患者さんの生活状況に合った最適な薬を選びます。

*アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法):5歳以上が対象

免疫療法を皮下注射で行う方法は従来からありますが、近年は舌の裏にエキス錠を置いて溶かして服用するという舌下免疫療法が普及しています。現時点ではスギとダニの2種類のエキスがあります。スギもしくはダニが原因であることがはっきりしている場合に行う治療です。
エキス錠とは、簡単に言うと、抗原そのものを固めたもので、それを少しずつ服用することで、体内の免疫反応の流れを変えるというメカニズムになります。唯一の体質改善(根本治療に近い)の治療法といえます。最低3年は継続する必要があります。当院では皮下注射は行わず、比較的安全性の高い舌下免疫療法を行っています。

③抗IgE抗体療法(ゾレア®︎):12歳以上が対象

長年、重症な気管支喘息や慢性の蕁麻疹の方には使われてきた薬剤ですが、2020年に重症の季節性アレルギー性鼻炎にも保険適応となりました(現時点ではスギ花粉症が適応となります)。
アレルギー反応の中心をなすIgE抗体の働きをブロックする注射です。
高価な薬剤ですので細かい適応基準がありますが、それに当てはまる方にとってはこれまで薬剤治療などでは太刀打ちできなかった症状が改善するなど、メリットは大きいと思います。
例年スギ花粉症が重症でお困りの方は、年末~1月くらいに、「次の花粉症の時に使用してみたい」とまずご相談ください。

④手術療法

薬物治療がなかなか効かない鼻づまりの方などは、レーザー治療や手術の適応がある方もいます。そのような判断をした場合には、基幹病院へご紹介いたします。ご相談ください。

黄色や緑色の鼻水、のどの後ろに流れる痰のような汁(後鼻漏)、鼻づまり、鼻の中が臭う、嗅覚がにぶい

副鼻腔炎

副鼻腔というのは簡単にいうと頭蓋骨の中の空洞です。おでこには前頭洞、目と目の間に篩骨洞、篩骨洞の奥に蝶形骨洞、両頬に一番大きな上顎洞があります。空洞内の粘膜から鼻水が分泌されます。副鼻腔で起こる炎症を副鼻腔炎といい、いわゆる「蓄膿症」と同じ意味になります。
風邪やアレルギー性鼻炎に伴って副鼻腔炎が起こり、適切な治療を行わないとなかなか改善しない場合があります。
まずは症状から副鼻腔炎を疑い、実際に鼻の中を観察して(初診時は内視鏡を使うことが多いです)、確定診断を行う際にはCTが非常に有用です。
当院にはレントゲン・CT一体型装置がありますので、副鼻腔の炎症の有無や程度や範囲を確認します。炎症の程度によって治療期間が異なりますので、きちんと評価し正確に診断することが大切です。その後、どのように治療をしていくのか詳細にご説明いたします。単純レントゲンで左右どちらか片方の副鼻腔に影があった場合、稀ではありますが腫瘍性病変の場合もありますので、やはりCT検査ができるという環境は安心です。

副鼻腔炎の原因はいくつかに分けられます。

  • 細菌、ウイルスによるもの(いわゆる風邪)
  • アレルギーによるもの
  • 喘息と同じような炎症病態で起こるもの(好酸球性)
  • 真菌(カビ)によるもの
  • 歯の根の炎症が波及しているもの

治療は、保存的治療と外科的治療に分けられます。
まずは診断後、内服と処置と吸入(ネブライザー)などで経過をみていきます。症状が慢性化し、内服を続けながら約3ヶ月経過しても改善しない場合は手術の検討をする場合もあります。この場合、基幹病院へご紹介いたします。

鼻出血

まずは鼻の中を確認し(内視鏡で確認することがほとんどです)、出血部位を確認します。その多くが、毛細血管がたくさん集まっているキーゼルバッハ部位と呼ばれる、鼻の入り口付近の内側の壁の部分です(鼻中隔の手前)。そのため、鼻をいじったり強くかんだりくしゃみや咳をしたり鼻毛を抜くなどの行為で出血が起こります。
その他にも高血圧や出血傾向、あるいは腫瘍が潜んでいるなどの理由でも出血を起こすことがあります。当院にはレントゲン・CT一体型装置がありますので、こうした原因の有無をしっかり検査することが可能です。しかし、止血にとても苦労をするのが、鼻の奥の方の動脈から出血している場合です。クリニックである程度の対応はできても、場合によっては大きな病院へご紹介して数日経過をしっかり診ていただく必要があったり、入院が必要になることもあります。
鼻出血の対応法は、まず薬剤を含んだガーゼを鼻につめて、鼻腔を広くし、一時的に止血を行い、処置で痛く感じないよう麻酔をすることから始めます(この時、過去に麻酔でアレルギーを起こされたことがあるなどの情報があれば教えてください)。その後再度内視鏡でしっかりと鼻腔内の状況を確認し、出血点が明らかであれば薬剤もしくは電気メスによる焼灼で止血を行います。出血部位が広い場合やわかりにくい場合は、専用の綿かスポンジかガーゼをつめて、数日そのまま様子をみた後に再度受診していただき、それらを抜去してまた鼻の中の様子を観察します。
診察の最後に、自宅での止血法や、出血を起こさないための注意点などを直接ご指導いたします。

嗅覚がにぶい

嗅覚障害は新型コロナウイルスの流行に伴いメディアでも取り上げられる症状となりました。とはいえ、元来副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎が原因で起こることが多いので、まずは原因検索が大切です。新型コロナウイルスによる嗅覚障害が大きく取り上げられがちですが、インフルエンザウイルスなど他のウイルスによる上気道感染でも嗅覚障害が起こることがあります。障害部位で分けると①気導性②嗅神経性③中枢性の3つに分類され、その病態や原因は、炎症性、外傷性、先天性、薬剤性、加齢性、中枢性、心因性などがあります。原因に応じて治療を行いますが、治療法には、ステロイド点鼻薬、漢方、亜鉛製剤、ビタミンB12、嗅覚トレーニングなどがあります。鼻腔ポリープなどが原因となっている場合は手術をお勧めする場合もあります。

子どもの鼻の診察

鼻汁吸引などの処置がとても大切です。鼻をよくしておくと中耳炎や咽頭炎にもなりにくくなります。診察室では、できるだけ痛く感じないように気をつけながらしっかりと処置を行い、診察後にネブライザーを行います。

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