睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある、大きないびきをかく、日中の眠気が強い、集中力や記憶力が落ちてきた、何度もトイレに起きる、朝何となく頭が重いなどの症状が当てはまる場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。作業効率の低下、居眠り運転や労働災害の原因にもなりかねません。空気の通り道である上気道が狭くなることが原因です。扁桃肥大、舌が大きい、鼻炎・鼻中隔弯曲といった鼻の病気などが原因となります。また、あごが後退していたり、あごが小さいことも原因となります。さらに、くびまわりの脂肪が多いと上気道は狭くなりやすいため肥満も原因となります。耳鼻咽喉科では、内視鏡を使ってしっかりと上気道の観察を行い、まずはできるだけ原因を探します。何か治療の対象となるような原因が見つかればその治療を行います。検査は実際に一晩眠っている間に行います。携帯型装置による簡易検査や睡眠ポリグラフ検査(PSG)にて睡眠中の呼吸状態の評価を行います。1時間あたりの無呼吸と低呼吸を合わせた回数である無呼吸低呼吸指数(AHI)が5以上であり、かつ上記の症状を伴う際に睡眠時無呼吸症候群と診断します。AHIが20以上で日中の眠気などを認める場合、経鼻的持続陽圧呼吸療法(Continuous positive airway pressure:CPAP)が標準的治療とされています。CPAPはマスクを介して持続的に空気を送ることで、狭くなっている気道を広げる治療法です。また、下あごを前方に移動させる口腔内装置(マウスピース)を使用して治療することもあります。お子さんの場合、アデノイドや口蓋扁桃の肥大が原因であることが多く、その際はアデノイドや口蓋扁桃の摘出術が有効です。生活習慣の改善も大事です。肥満がある場合は減量を行うと無呼吸が改善することもありますので、食生活や運動などを心がけることも重要です。アルコールは睡眠の質を悪化させますので、晩酌は控えることも大事になります。睡眠時無呼吸状態が長期に及ぶと、高血圧、心疾患、脳卒中、糖尿病などの病気につながり、そのため寿命が縮むとも言われています。当院では貸出の機器を用いて睡眠時無呼吸の簡易検査も行っております。無呼吸の診断を受けた方にはCPAP治療なども行いますので、気になる方はぜひ一度お気軽に受診してみてください(PSGが必要な方は、入院下で行うため、検査可能な基幹病院へご紹介もいたします)。